本日はおすすめマンガのレビューです。
え?なんで中学受験ブログでマンガのレビューなの
中学受験のブログで、なぜマンガか
突然ですが、こみるは本やマンガが好きです。小・中・高は何か読んでないとソワソワするくらい活字が好きでしたし、マンガも大好き。ですが、社会人になり、子供が生まれ…等としているうちに忙しいとか、持ち歩くのが面倒とか、なんだかんだで活字やマンガからいつの間にか遠ざかっておりました。
そして時は流れ、三菜が成長し、中学受験をすることになりました。ここでこみるは「子が壊滅的な読解力で点数にならない」という読書好きの親からは考えられない難問に行く手を塞がれることになります。
語彙力アップの取り組みや漢字も勿論やってますが、時間はないし、困った。本を何冊も何冊も読んでいる時間は今更ありません。
さて、どうする。
そこでこみるが思ったのは、「マンガなら気分転換にもなるし、人物関係の把握、登場人物の気持ちの変化などをつかみ取りやすいのでは?」ということ。
ある程度厳選して与えれば、少々難しい言葉も書いてありますし、時代背景なんかも勉強になるかも。なにより、勉強っぽくない!…ということで、<中学受験・読んでおきたいマンガシリーズ>、不定期にエントリーしてまいります。
勉強頑張ってるお子さまに、親の真意は伏せつつ「はい、どうぞ!」と気分転換を装って渡してみるもよし。子のヤル気の無さにヒステリーを起こす前に、深呼吸して親がマンガに没頭するもよし。
大人が読んでも損しない1冊をおススメしますよ
風の谷のナウシカ/宮崎 駿 とは?
8月はニュースでも戦争にまつわる話が多くなります。
本日は「戦い」をキーワードに、こちらのマンガをご紹介。
映画の「風の谷のナウシカ」はご存知ですよね?1984年に公開された、ジブリの初期の作品です。ジブリの作品は80年代の作品でも古さを感じさせない不思議な魅力があります。
映画の「風の谷のナウシカ」ですが…「火の七日間」と言われる最終戦争で世界が滅びてから1000年後。瘴気という猛毒を放出する腐海(森)に覆われた世界において、人間が生活できる数少ない場所である「風の谷」に住むナウシカが、腐海に住むオームと心を通わせ、強国であるトルメキア王国に立ち向かう姿を描いた長編のアニメーションです。
ですがね。
「風の谷のナウシカ」って自然を愛する不思議な力を持つ少女の話でしょ?…と思っている皆さん!!この映画「風の谷のナウシカ」はマンガ「風の谷のナウシカ」のほーーーーんの一部に過ぎないのです。ご存知でしたでしょうか?
映画(アニメ)とマンガが同じと思ったら大間違い!!!
マンガ「風のナウシカ」は全7巻。映画「風の谷のナウシカ」の話はマンガでいうとたった2巻くらいまでの話で、マンガの話全体からすると、序の口の出来事にすぎません(しかも微妙に話が違う)。
マンガでは、ナウシカのいる風の谷を含む辺境諸国を傘下に従えているトルメキア王国と土鬼の国々との戦いがメインのストーリーです。その戦いの中でナウシカは、腐海がなぜ生まれたのか、王蟲はどこからきたのか、ナウシカを含む人類の正体は何なのかを知ることになります。驚きの事実を知ったナウシカはどういう行動に出るのか…?
アニメよりもはるかに複雑で壮大な世界観が繰り広げられる本作品、大人にも子供にも是非読んでもらいたいマンガの一つです。
中学受験的おすすめポイント
①人類の愚かさについて考える
人間はいつの時代も争いを繰り返します。あの戦争はよくなかったと反省したとしても、時が過ぎると忘れたように何度も何度も同じ間違いをしてきました。環境についても同様です。
どうして人間は同じ間違いを何度も繰り返してしまうのでしょうか?
人間の愚かさを訴えるテーマは国語の問題でも時々見かけますので、マンガを通してこういった内容に触れて、親子で話し合っておくのもいいんじゃね?と思います。
②登場人物の発言の真意を考える
例えば部下の死を目前にし、トルメキアの皇女クシャナが言葉を発するシーン。数か所に出てきますして、発言内容や様子から彼女は怒りに満ちているようにも見えます。が、クシャナは一体どういう気持ちでその言葉を発したのでしょう?頭にきて怒っているだけなのでしょうか?部下が死んで悲しんでいるのでしょうか?
部下の死を弔いながら、生き残って戦っている部下を鼓舞する姿から、クシャナのキャラクターなども見えてきます。
マンガの中のクシャナはアニメとは少々イメージが違い、単なる冷血な上官ではなく、部下想いで仕事ができる力強いキャラです。一方で自分の母親が受けた仕打ちに関し、悲しみを胸に秘めつつ並々ならぬ復讐心を抱いているという、複雑な思いを内に秘めたキャラでもあります。
親子で読んで、登場人物の気持ちやそのときの行動・発言の真意を一緒に考えてみるのも一興。
③答えのない問いについて考える
ネタバレしそうなので、ふわっと書きますが、物語の後半、ナウシカは現在の世界のすべての存在について衝撃の事実を知ることになり、彼女は一つの決断をくだし、実行します。ナウシカの決断で世界の運命は決まってしまいます。
ナウシカがその決断により、世界はこの後どうなっていくと思うか?その選択をしなかったときに世界はどうなると思うか?ナウシカはどうしてその決断をしようと思ったのか?その決断をしたときの気持ちはどんなものだったのか?他の人間たちに事実を伝えたと思うか、伝えなかったとしたらなぜ伝えなかったのか?ナウシカの決断はよかったと思うか?よくなかったと思うか??
…答えは1つではありません。
答えのない問いかけに対する自分の意見の醸成という意味で、本作を読んだ後、親子で会話するのもありなんじゃないかな、と思います。
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