本日は塾なし中学受験・6年前期。算数に特化したエントリー。
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中堅校目指す組・飲み込み悪め組が知っておきたい、予習シリーズ算数の「スパイラル方式」とは
予習シリーズは「スパイラル方式」をウリにしている教材です。
『予習シリーズ』のカリキュラムの特長は、1つの分野・単元の学習を繰り返して、らせん階段を昇るように段階的に学習することです。このことにより基本の理解と定着を図り、復習をしながら応用力を身につけることができます。たとえば小学4年生の算数 で「速さの3公式」を学習すると、小学5年生で「旅人算」さらに「速さと比」の学習へと続き、前の学習内容を思い出しながら、その内容を活用して解くことができないか試行錯誤することで、理解をより深め、応用力を高めていきます。-四谷大塚HPより引用ー
という記述の横にトルネードのような渦巻きの絵が描かれています。4年の初めに四谷大塚の説明パンフレット見たときには「なるほど、理にかなったシステムだわ」と感銘をうけたものです。
売り文句には「らせん階段を昇るように段階的に学習することで」「基本の理解と定着を図り、復習をしながら応用力を身につける」と書いてある。数多のブログも「まずは予習シリーズ」と言っているし、我が子も予習シリーズのカリキュラムどおり使っていれば安心、安心、大丈夫。
…とはならない。
特に算数!
万人が謳い文句通りになるよう錯覚しがちですが、これ、人によるのです。
そんなの、当たり前じゃね?
当たり前なのですが、親というもの、「うちの子に限ってそんなことはない」「そうはいってもうちの子はそうはならない」「このまま突き進めば今はダメでも後のびするはず」とココロのどこかで思いがち。なので、もう一度言いますよ。
人によります。子を観察しましょう。
ともあれ。5年カリキュラム終盤で「カリキュラム通りに使っても予習シリーズの謳う宣伝文句どおりにステップ・バイ・ステップ、ワンツースリー!とは進まないなぁ」…状態でしたので、三菜が6年前期に予習シリーズに書いてあることをそのまま闇雲に進めても、ちっとも大丈夫じゃないと思いました。以下その理由をつらつらと書きますよ。
「算数・6年上」は既出単元内容が「理解出来ている」が前提のテキスト
6年上にも4年・5年でやったことのある単元が繰り返して出てくる…には違いないのですが、見たことのない問題もメジロ押しです。
一応6年上にも4・5年で既出の問題がサラリと書いてあります。基本のつるかめですとか。成功したら〇円もらえて、失敗したら〇円払う弁償算とか。ですが、あくまで確認レベルにすぎません。6年上のメインディッシュはそこではなく、それ前提に進んだ新しい内容です。3つのつるかめとか。いもづる算とか。
予習シリーズの宣伝文句に「前の学習内容を思い出しながらその内容を活用して」とあるように、6年上でサラリと書かれている基本問題は、難関校目指す組が「あー、そういえばこんなのやったね」と瞬時に思い出すためのもの。一方、飲み込み悪め組にとってはそもそも「思い出すだけで一苦労」だったりして、正直、活用どころではない。しかもそういう単元がそれなりにあるというのが飲み込み悪め組の6年前期です。足元が揺らいでいるうちに、やれ3つのつるかめだ、やれいもづるだと上乗せするのは「あぶはちとらず」ってやつだと思いました。
6年上の1回分はどんだけの量よ
6年前期の授業回数(単元)は14回です。一方、4・5年時の2年間の授業回数は約60回。60回分の内容を14回で復習するわけですから、単純計算ではじき出しますと1回分でこれまでの4回分に相当する内容(単元)を復習しまっせ、と言っているのです。
単純計算で、よ、よ、4倍…?
四谷大塚のHPのスパイラルの挿絵を見ますと、上に行くに従ってぐるぐるが大きくなっていっています。中学受験というものに足を踏み入れたての頃は「ああ、何度も復習しながら難しい応用ができるようになることを意味して輪がぐるぐる段々大きくなっているのね~」…とうっとりする気持ちで見ておりましたが、実は「学年が上がるにつれて分量が凄まじく多くなりますよ」ということを暗に示している図でもありました。(←※こみるの妄想です)
んなこと読み取れるかよ
それは兎も角。
新出の上乗せ分はあきらめて復習に特化するにしたって、すんげー量なのです。スパイラルだからってちっとも大丈夫ではない感じが伝わりましたでしょうか。
新出だが中堅校に必要な問題も登場するのが悩ましい
じゃあ、中堅校目指す組は「6年上の上乗せ新出問題は全く無視していいか」…というとそうでもないのが悩ましいところです。
三菜の場合で言いますと、既出の単元だが初めて出現するタイプの問題…例えば立体のくりぬき問題は、三菜の学校の過去問では見たことがないので無視…でよかったと思うのですが、例えばいもづる算は過去問には登場するので、できたほうがいいーそんな感じなのです。
盲目的に6年上に書いてあることに沿ってそのまま進めることはできない。でも、まるっと捨てるわけにもいかない。6年上の予習シリーズをそのまま進めるのは飲み込み悪め組的にはちっとも大丈夫じゃないと言ったのはそういう理由もあります。
6年前期。飲み込み悪め三菜の作戦、公開。
すんげー量を復習してモノにしつつ、チョイチョイつまみ食いのように6年の上乗せ新出問題を拾っていくことが必要な6年前期、三菜は一体どう過ごしたか。中堅校を目指す塾なし三菜の作戦を公開しますよ。
まずはイメージ図をどうぞ。クリックすると大きくなりますよ。
夏休みが終わるまで、4年・5年の演習問題集をひたすらやりこむ
先に書いたことと重複しますが、三菜の6年前期のレベルときや、基本と言われているところを思い出すだけでそれなりに時間がかかる。実は思い出すどころかそもそも殆ど身についていない単元すらありました(速さと比のあたりとか)。
ですので、上乗せの新出問題をやってる場合ではないと判断し、6年前期に予習シリーズ・6年上はやりませんでした。つまり新出問題は、一旦「捨て」です。…で、夏休みが終わるまでを期限として、4年・5年の演習問題集をひたすらやりこむことにしました。
えええ、戻るのー!?
子が慣用句・ことわざで「あぶはち取らず」って覚えているというのに、軍師たる親が率先してアブもハチもとっていては、笑うに笑えませんからね。一旦戻ってアブだけとることに。
ちなみに6年上にもサラリと該当単元基本問題は入ってますから、6年上を使ってももいいじゃんという話はあります。が、ここで思い出してほしいのが「6年上でサラリと書かれている基本問題は、難関校目指す組が「あー、そういえばこんなのやったね」と瞬時に思い出すためのものである」ということ。彼らは基本問題はサラリで良く、6年上はそれに必要な分量だと思うのです。
該当単元で演習できる問題数は4年・5年の演習問題集の方が圧倒的に多く、類題も豊富。4年・5年の単元はまだまだ説明まで昇華できないわからんちんな問題も多い三菜の場合、6年上のサラリ基本問題+上乗せ新出問題で費やす時間を全て、こちらに投資したほうが身になると判断しました。
算数・予習シリーズ6年上は「取り組む順序の道しるべ」として参照
問題演習として使用したのは4年・5年の演習問題集ですが、6年上は取り組む単元のおおまかな順序を設定するのに使用しました。
例えば四谷大塚のHPの教材見本にあります「第1回 文章題」の回では、和差算・分配算・消去算・つるかめ算・平均算・差集め算あたりが含まれるので、4年・5年の予習シリーズからこれら該当単元をピックアップして解きまくる。お次は「第2回 数と規則性」の回で、植木算・方陣算・周期算あたりが含まれるので…といった具合です。
6年上1回分に含まれている単元すべてを1週間でこなせればいいのですが、大体そうはなりません。なんせ今の1回分は過去の4回分なのですから問題量も多く、理解が伴わない単元はじっくりスタサプを見たりもしますから、当然道しるべからズレが生じてきます。1週間で終わらせたいところが1週間半かかり、そこから第2回をはじめまして、今度は2週間近くかかりまして…とやっていますと、どんどんズレが出てきます。
が、気にしません。
夏休みが終わるまでの長いスパンで4年と5年の演習問題集をやりこむと決めているので、道しるべから遅れても、焦らず・急がず・じっくり進みます。6年のカリキュラムでは、合不合がある週は予習シリーズが進まないので、その期間も粛々と演習問題集をつづけました。塾なしはカリキュラムに縛られないのが利点です。
算数については、春期講習・夏期講習は無視。
算数の春期・夏期講習は、無視です。亀の歩みですが、道しるべに沿って4年・5年の演習問題集を使って粛々と単元を復習していきました。夏休みはこれに加え、集中砲火を行い苦手単元を潰す作業もしました。
苦手単元を潰す集中砲火の話はこちら↓↓↓
塾なしのいいところは「理科と社会だけ春期講習のテキストを使ってやる。でも算数は違うことをやろう」など、子の状況に即してやるべきことの選択が自由にできるところもあると思います。
6年上の「上乗せ新出問題」のつまみ食いは、夏休みに開始して秋頃に完成させる
統計も取らず無責任に適当なことを言いますが…三菜の目指した中堅校レベルですと「つまみ食いが必要な上乗せ新出問題」ー予習シリーズ6年上ではじめましての新出問題の中で受験までにどうにかして習得する必要があった問題ーは、上乗せ新出問題の全体の3割くらいの感覚。
通塾されている場合は塾の先生、家庭教師をお願いされている方であればその方に相談すれば「あなたの志望校ならこれ系の問題は出るからやっておいたほうがいい」などとこと細かに指導してくれるのかしらと思いますが、頼る先のない三菜家では
という決め方をしました。全く持って根拠はありませんがね。
そんなことやって、お前、暇だよな
ヒマそうに見えますが、実は平日の日中は正直ヒマな時間がありません。個人事業主なので雇用の保証とかないものですから、実は昼間、時に夜も割と頑張って働いてます(笑)。なので週末の夜とかに一気にやります。ブログも夜中に書いたり週末かいたりしたものをタイマーで日中アップしたりとか。実はいろいろあるのです。
ともあれ、こみるの独断と偏見で「つまみ食いすべきと判断した上乗せ新出問題」は時間のとりやすい夏休みにはじめ、秋頃の完成を目指し取り組みました。
週テストは受けますが、組分けテストは受けません。首都圏模試オンリーで立ち位置把握
組分けテストは受けません。その理由。
組分けテストとは、四谷大塚で5回に1回程度実施されるテストのことで「組分け」と名がついている通り通塾しているとコレでクラス分けがなされ、塾内での立ち位置を知ることが可能。それ以外に「複数回にまたがる知識が定着しているかをはかる」という役目もあります。定着をはかるという意味で、4・5年時には、中堅校を目指す塾なし組も受ける意味があると思います。
で、6年カリキュラムの組分けテストです。前述のとおり4年・5年の演習問題集による穴潰しがガイドラインの予定通りに進みませんでした。例えば6年1回~4回までの範囲の確認を5週目の組分けテストで行うところ、三菜の4年・5年の演習問題集穴潰しはガイドラインでいうところの6年3回の途中までしか進んでいなかったりする。そんな状態で4週分の知識の定着確認のためのテストを受けたって定着の確認になりません。また、塾なし組としては組分けテストのクラス分けや塾内での立ち位置など正直「どうでもいい」という事情がもともとあります。ですので、組分けテストは受けませんでした。
週テストで複数単元の定着を把握。
1週間ごとにある週テストは、ガイドライン1回分の単元の復習が終わったタイミングで実施しました。4年・5年時では、該当単元の定着の確認は週テスト・複数単元の定着の確認は組分けテストが担っているのですが、6年時は1週間に複数単元をやっているわけですから、週テストがかつての組分けテスト的な意味あいがあると思いました。テストなんてこのくらいで十分だと思うのですよ。中堅校目指すのであれば大手進学塾のテストはあれこれ多すぎです。テストが多いとやり直しもいい加減になるし、だいたいテストのための準備で腰を据えて自分のやるべき勉強の時間がとれない気がします。
それはさておき。
進学くらぶのいいところなのですが、スケジュールからはずれてテストを送っても採点し解答をアップしてくれます。なので遅れてもノープロブレム。
ちなみにテストコースのレベルは通塾・進学くらぶ共に組分けテストの結果で自動的にコース設定されますが、組分けテストを送らない場合は事務局に電話をすると選ばせてくれます。授業動画のコースと週テストのコースは連動していて、週テストでBを選べば授業動画はB、週テストをAで選べば授業動画はAになります。
だいたいの立ち位置は首都圏模試で把握。
これはこちらの記事にゆずります。
模試では偏差値で一喜一憂しがちですが、演習して子が「理解できた」に昇華出来てるはずのところが本当にできていたかを見るといいと思います。
算数に「四科のまとめ」は必要か
〇周はしたほうがいいなどと言われる「四科のまとめ」。「四科のまとめ」については別エントリーしましたが、算数に関していうと1回通しでやったものの、繰返しはやりませんでした。
繰り返しやったほうがいいかどうかは、他にその子が何を勉強しているのかによるのではと思います。例えば、通常の勉強で基礎を網羅的な範囲で殆どやらないということであれば、穴ができないよう「四科のまとめ」を繰返しやることは意味がある気がします。
こみる家では算数をかなりしっかり目に親が見ていたので、三菜の得手不得手を把握していることは勿論、4年・5年の演習問題集をガッツリやっていたのでひょっとするとやらなくても良かったかもしれません。三菜の場合、算数においては「三菜専用単元別問題集」がありましたので。
この「三菜専用単元別問題集」は4年・5年の演習問題集が元ネタなので、「四科のまとめ」の内容(=基礎)+アルファのような位置づけになると思います。
これを忘却しないよう、繰り返し、繰り返し、繰り返しずっとやり続けたので、意味合いの似た「四科のまとめ」を繰り返しやることはしない。むしろ「四科のまとめ」を繰り返しやる以上の効果も得られたのではと勝手に思っています。
まとめ教材のあれこれについてはこちらのエントリーをどうぞ。
時間が足りません。なので、徹底して子のチンタラを省きます
まぁ、これでも6年前期は分量が多いですよね。しかも部活やってますし。習い事やめませんし。睡眠時間多めですし。なので、徹底して子のちんたらは省きます。いろいろやりましたがおおまかには過去のエントリーのとおりです。
まとめ
100人いれば100通りのやり方があるというのは、ブログでいつも言っていることです。
終了組になって思うのは、大手進学塾のカリキュラムは、よくできている、ということ。ただ、それが子のレベルや、やるべきことにピタリとマッチしているかは、別問題。yesかnoかは傍で見ている者でないとわからないと思います。
新しい学年になるとやることが増えるのは当然です。大変!間に合わない!って誰でもなります。
なので、どうすれば最適解となるかを各自が考えないといけないはず。
本エントリーは、三菜の場合はこう考えましたよ、という一事例です。
結果希望のところに合格しているので、結果論ですが、多分ピタリとあってたのでしょう。
これを考えるのは大勢を見ている先生ではなく、軍師たる親の役目だと思います。ヒントは先生からももらえると思いますが、傍についてみていないとこればかりはわからないはず。勿論親でなくても外注しても良いと思います。
親が軍師となる場合は、まずは子を観察すること。
「ちんたら取り除く」で書いたように、どんどん工夫をすること。
カリキュラムが合ってないと思えばどんどんカスタマイズすること。
嘆く前に、いろいろやることはあります。あと1年、頑張って!!
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