前回①<分析編>の続き、中学受験のあるある「家で勉強しない」の攻略その②<実践編>です。
『ちんたら』『ムダ』の原因を取り除いてみよう
まずは正味時間の把握
ムダを取り除く前に、まずその課題を解くため我が子が必要な適正時間はどのくらいなのかがわからなくては「ちんたら」やってるかどうかが判断できません。ですので、これを前もってを知っておく必要があります。一度、子の勉強時間を計ってみてください。
計算なら1ページ、テストのように真剣にやると何分かかるのか。
漢字なら1日分で何分かかるのか。
社会演習問題集の穴埋めをするのに最速で何分かかかるのか…など。
共働きでも土日の数時間1度くらいなら子の勉強に張り付くことはできますよね?
テスト並みに最速で真剣に解くのがミソです。
なんだこのくらいの短時間でできるはずじゃん、とか、大した量に見えないけど意外と時間がかかるのね、とか色々発見があります。
数回張り付けば、「この問題集のこれくらいの分量なら我が子の場合このくらいの時間でできそうだ」とざっくり時間を見立てることができるようになります。その子にとっての適正時間が分かれば、それ以外にかけている時間は勉強の正味時間からみたときの「ムダ」といえましょう。
親とやったら10分で済むのに、子だけでやったら15分かかったならば、差である5分は「ムダ」な時間
勉強正味時間以外のムダの徹底的な排除
ようやく、ムダの排除です。
例えば「マル付けのための解答」
四谷大塚の問題集の改善してほしいところなのですが、演習問題集(の一部、算数とか)の解答が分冊になっていません。問題集を見て解く→裏の方にくっついてる答えをみる→また問題の方にページを戻して…って時間の無駄でしかなく、問題と解答が分冊になっていない問題集はマル付けの稼働を考えていない不親切な構造だと思います。予習シリーズテキストは分冊なのに、何故なんでしょう?演習問題集も是非分冊にしてほしいところです。
…が文句ばっかり言ってるわけにもいかないので、分冊になってない問題集は解答だけバリバリっと本体から切り離しちゃいましょう。製本テープ等で背をガッツリ止めれば分冊の解答の完成です。
こんな感じです↓↓
分冊のいいところは、問題(+自分が解いた答え)と答えを並べて机の上においておけるという点です。問題を見る→裏の方にくっついてる答えをみる→また問題の方にページを戻して…とやらなくて済むのですから、楽ですよ。
ネットを見ると背表紙にアイロンあてるとキレイにはがれるってかいてあるけど、この程度なら力業ですぐとれました。
例えばやるべき場所に付箋をはっておく
解き終わりました。さて、マル付け…となりますが、今日やるべきページの解答のところに付箋をつけてあげれば、子が答えののページを探す時間が省けます。
また、「今日は問題集のどこをやるかなー」とペラペラやる、あれも無駄です。
問題集の今日やる場所にも勿論、付箋を貼っておくと時短になります。
今日の勉強分のコピーの用意をする
付箋もいいのですが、もっと無駄をなくそうと思うならば、こみる推奨「今日のやる勉強分のコピー」の用意という案もあります。
ざっくりいうと、本日分の勉強のコピー(またはルーズリーフ)と解答を、教科ごとに・やる順番にはさんでおきます。これなら問題集を手に取りペラペラ探す手間はありませんし、何しよっかなーの迷いも起きません。
再掲しますと、こんなイメージです。写真の右側がやるべきテキストや問題集をどさっと置いたもの。左が本日の分をコピーして抜き出したものです。
幼めな子供ですと「こんなにやるのかよ…」という気持ちから「これだけでいいの?」に代えることもできちゃう魔法の技。
開き折りの甘い問題集がパカパカしたりもしない。
何より一日のやる量が明確なので「あー、今日は一体あとどれだけあるんだ」と終わりの見えないモヤモヤにも苛まれません。
精神年齢幼め用対応です。
ダラケ防止に目標時間とかかった時間を書かせる
さらに、ダラケ防止のためには上記で把握した(または見立てた)正味時間=このくらいの時間ならできるでしょ?…の目標時間と、実際かかった時間を記入するような欄をコピーの隅っこに書いておくとよいでしょう。こんな感じです。
これやっておくと、子はタイマーで計るようになります。タイマーで計るとなぜか多少急ぎます(笑)。目標時間が書いてあるから、すみっこに絵を描いている場合ではありません。
親の方も「あ、難しい単元でいつもより時間がかかってるな」とか「意外と時間かからなかったな」とか、見立てていた時間の修正をすることもできます。
子にとっては、実際にかかった時間と問題の分量を見て、「この問題のこの量ならこのくらいでできるかも?」という目算をたてる練習にもなります。
設定時間は「我が子の適正集中時間」を考慮する
塾では60分とか90分など長時間座っていますが、三菜の勉強の様子を観察していますと「全集中」が続くのは「30分~40分」でした。それを過ぎると効率がガタ落ちし、ミスも多く、機嫌も悪くなりがちでした。
子の「超集中できる時間」というのはそれこそ子によると思います。
理想は〇分集中できること、とか、テキストの区切りのいいところはここまで、とかいろいろ事情はあります。ですが、だからといってそこまで必ずやらせると、あとで歪がでてバトルになることも多かった。
ですので、紙に書く「目標時間」や次に書きます「やることリスト」に記載する時間もこれを考慮したり、傍で勉強を見ている際もこの適正時間を考慮して、休み時間にしたりしました。
長い時間やったとしても、チンタラやって集中力を欠いていたり嫌になってだらだらしたりするのであれば、一見、短い勉強時間に見えても結果的に長い時間やってるのと内容はそう大差なかったりするものです。
共働き必須アイテム「本日やることリスト」でやるべきことを明確化
共働きだと親が見てない間にアレコレ終わらしてもらわないと事が進まないので、さらに本日やることリストがあれば最強です。これはホワイトボードでも裏紙でもなんでもいいと思うのですが、こみる家ではこんなリストを上記の「本日やることクリアファイル」の中にはさんでおきましたよ。
Excelでやる内容、いつ頃やるか、どのくらいの時間でやるか、終わった時のチェック欄を設けていました。※写真は夏休みバージョン
ホワイトボードでもいいのですが、こみるが「紙のやることリスト」にこだわったのは、過去との比較ができるから。「1週間前はこんな感じだった」「この単元はいつもの30分ではおわらない」とか。データもしくは紙でとっておいたものを見ながら微調整しつつスケジュールが組めるので。
このあたりは個人の趣味の世界かもね
そこまで細かいムダの排除が必要なワケ
そんな細かい時間まで考えるのー???
めんどくさ
こんなことして意味あるの?大した時間じゃないじゃないか!…という声もありましょう。
ですが、塵も積もれば山となるです。
1分の無駄が1日10回あれば10分のムダ、1週間なら70分の無駄ですよ。70分は、我が家でいうと算数の勉強2回分に匹敵します。
子に受験勉強以外のことも経験してほしい、家族との時間も大切にしたい、睡眠時間は確保したい、etc…受験勉強に使える絶対的な時間が少ないのであれば、ここでいちいち細かい・めんどくさい云々言わずに、こういったムダを徹底的に排除する努力を親もすべきでしょう。
親にはぐうたらしてるようにしか見えない子でも、本人なりには勉強してるんですから、親もこのくらい努力する必要があると思います。
飲み込みが悪くて、10の収穫をしようとした際に人の2倍時間がかかる場合も同じです。
人の2倍、時間をかけて勉強をするのではなく、人よりムダを排除して、他人がかけるのと同じくらいの時間で10の収穫をできるようにしてあげたほうが、どう考えたって子はウレシイ。
また、子には、勉強時間を短く感じてもらったほうがいいに決まってます。
勉強時間を単純に短くするのではなく、短い時間でいかに濃い内容にするか。
ちんたらの60分で10の収穫ではなく、ムダなく30分で10の収穫にするということです。
明らかに後者の方が親も子もウレシイですよね。
中学受験勉強に200%の時間を費やせるご家庭や、飲み込みスムーズで時間かかりませんわというお子さまでしたら、こんなにみみっちい無駄の排除は必要ないですね。きっと。
逃げ時間の用意も忘れずに。あと達成感も醸成しよう
集中できる時間を見極め、「逃げ時間=お楽しみタイム」を用意する
かかる時間を書かせると、それなりに勉強に集中するので、子は疲れるでしょう。大人の私だって超集中状態で資料を何時間も作り続けるのはしんどいです。エスケープの時間が欲しくなります。
先にも書きましたが、三菜の集中可能タイムは30~40分。これを1つの単位と捉え、30~40分ごとに必ず5分~10分の逃げ時間=お楽しみタイムを挟みました。
どうしてもやりたいことがあってどうにもこうにも勉強に手がつかなというときは、相談の上もう少し増やすなど臨機応変に。
休み時間も本人了解の上、タイマーかけます
管理しすぎかもしれませんが、子は楽しいことは永遠にやめません…。三菜本人もそれはよーくよく認識していたので、休み時間のタイマーは自分でかけていました。で、スプラトゥーンの試合を2試合ほどやって…とかピアノを1曲ひいてとか、イラストを描いて…とかやってました。
時間が無いから一分でも沢山勉強をやらせたい気持ちはとーーってもよくわかるのですが、なんせ小学生です。三菜の場合は精神年齢幼め小学生でしたので尚更、程よい息抜きがないと、次の課題の内容の濃度が低くなるというのは実感としてありました。
うちの子にもよいかも?と思ったら、是非取り入れてみてほしいと思います。
休憩時間を本人が意識するには「時間が ”見える” タイマー」を
ちなみに「10分休憩」でタイマーをかけると、自分の思いとはかけ離れた時間に「ピピピピ!」となり「ええ?もうおしまい?」…と思うもの。頭で「10分」と分かっていても時間の経過は分かりにくいものです。
なので「視覚的に残り時間がわかるタイマー」が便利です。
商品写真の赤い部分が残り時間です。これがだんだん減っていくので、視覚的にあと少しなのかどうかが分かりやすいのです。
下が「タイムタイマー」と呼ばれる正規品のようですが、こみる家では類似品である上のものを使っています(正確にはこみるのものとロゴなどが同じではない気がするが、正規ではないこのくらいの値段のものを購入)。カチカチ音がしますが、休み時間に使う分には気にならず問題なし(正規品だと音がしないかどうかは不明です)。
ホワイトボードに貼り付けられるので、こんな風に使っていました。
(精神年齢幼めの子向け)達成感の醸成もしよう
こみる推奨の「今日の分のコピー」の難点は、その日の分しか手元にないことにより「5年前期でやらなきゃいけない総量の中で、今どの辺まで自分は進んでおるのだ」ということが見えにくいことでしょう。
ですので、子供だましですが、シール表を準備いたしました。
問題集全体の目次やページがずらりと並んでいて、そのページが終わったらシールをはっていきます。シールがだんだんたまると「おー、こんなにやったのか!!」と、何となくすがすがしい気持ちになるアレです。
こんな感じで、終わったら、小学校の時によく見かけたマルシールを貼っていきます。
シールはこの大きさが便利。
今後、各学年の四谷大塚の予習シリーズ・演習問題集・計算・漢字等に合うように、シール表はExcelで作成し、ダウンロードできるようにしていきたいと思います。
導入当初はシールを貼るだけでなく、「1列シールを貼り切ったら、なんでも好きな本を一冊買える!」…というご褒美も準備しました。三菜は最初のうち喜んでシールを貼ってました。そして5年の夏休みにこれでかなり本をゲットしました。
受験勉強がだんだん進んでくると、シール表がなくても大体どの辺をやっているというのが分かってくるのか、ご褒美が無くてもやらなくてはいけないと段々自覚してくるのか、理由ははっきりしませんが段々シール表の出番は少なくなり、6年の夏以降こういう細かいシール表はいつのまにか登場しなくなりました。
その子なりに成長するんだなー。
でも、こんなに管理しちゃって自分で計画なんて立てられなくなるんじゃない?自主性って育つの?
これについては、思うところがあるので、別エントリーしたいと思います。
「無駄な時間の分析編」はこちら↓↓
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