6年にもなりますと「まとめ教材」の話がでてまいります。
「『四科のまとめ』をやりましょう、そこで苦手を見つけて潰すのです!」
「繰り返しは最低〇周やりましょう!」
…とかいうアレです。
塾なし組でも簡単に入手できるまとめ教材といえば次の4つあたりでしょうか。
本日は、大して勉強が好きでもない子の伴走を終えたこみるの「偏見」に基づくまとめ教材の考え方と、まとめ教材を三菜がどう使ったか、についてエントリー。
こみるの独断と偏見による「四科のまとめ」「メモリーチェック/ベストチェック」「コンプリーション」のレビューはこちらをご覧くださいませ。
まとめ教材の通説!…「夏までに1周」とか「繰り返しやる」ってどうなのよ
仕事上、何か導入をと思ったら、得られるメリットデメリット等いろんなことを比較考慮した上で判断しますよね。大きい会社ですと説明資料まで必要だったり。
それと同じで、問題集だって、みんなやるみたいだし、ハイそうですか…は如何なものでしょう。「ねーねー、スマホ持ちたぃ~。だって、みんな持ってるからぁ」と発言する子と大差なかったりして。「ホントにそれ、うちの子に必要?やるのは今?その金と時間をかけて達成したい短期的目標は何だっけ?」くらいは、頭の中でチラッと思い描いた上でやったほうがいいんじゃね?…と、こみるは思います。
ちなみに「まとめ教材の使い方」については、ホントにいろんな人が好き勝手にあれやこれや書いてらっしゃる。
「四科のまとめをこうやって使って偏差値が6〇になった!」とか
「コアプラスの効果的な使い方」
…みたいなタイトル、ググればうじゃうじゃ出てきます。
おまえのブログもな
まぁ、いいのですよ。子により人により条件が全ー部違いますから当然と言えば当然。
この、使い方がウジャウジャ存在するという事実からも「王道の使い方」はあるにせよ「その子にとっての正しい使い方は色々で、絶対コレといった正解は無い」のでしょう。
…ということで、まとめ教材について巷で囁かれている通説について、”こみる流”に考えるとこうなりましたよという話を少々。Q&A風ですが「これぞザ・正解である」という意味合いでは一切ありませんで、あくまでこみる流解釈にすぎません。
誤解なきよう、よろしくどうぞ。
Q:夏までに1周して苦手を洗い出すのは必要でしたか?
・把握できている場合は「夏までに1周」は不要と考えます。
・親も子も「何だかわかんなーい!」なら、ズバリ「早めの一周」は必要でしょう。
「まとめ教材」を6年で取り組み始める目的の一つは「不得意・苦手・取りこぼしの洗い出し」。四科のまとめの宣伝にもしっかりそう書いてあります。
ひととおり『四科のまとめ』を学習し、自分の現在の力を確認し、できる問題とできない問題を整理しましょう(四谷大塚「四科のまとめ」紹介ページより引用)
ということは。
裏を返せば「子の不得意・苦手・取りこぼし単元を親なり子なりが事細かに把握していれば別に夏までにやらなくったっていい」ってことになります。今すぐ苦手単元の対策できますから。
逆に、親子ともども「不得意単元」がいまいちハッキリ把握できてない場合は、定石通り1周しないと何事もはじまらないでしょう。…だって、優先順位をつけた対策、できませんよ?ハイ、四の五の言わずに、まとめ教材スタート!
Q:何周も繰り返しやる必要がありますか?
①一問一答系(「理科」「社会」の知識問題&「国語」のことばカテゴリ)
「忘却防止」を目的に繰り返す場合、できるならやったほうがいいに決まってます。余力があればじゃんじゃんどうぞ。
②暗記ではない系(「算数」や「理科」の考ええる・計算する系カテゴリ)
大変厄介です。不得意・理解が及んでいない単元については繰り返すことで自動的に得意に変容するわけでないので不得意を潰す別の作業が必要でしょう。一方、得意単元についてですが、飲み込み悪め組は「忘却」のおそれがあるため多少の繰り返しも必要です。厄介なことこの上ありませんが、限られた時間を有効に使うべく、軍師たる親が采配を振ればおのずと道は開けましょう。
そもそも算数と社会なんて勉強の性質が違う。理科ときや、同じ科目の中に暗記系と考える系があると言うのに、揃いも揃って「繰返しましょう!」だなんてイミフです。
6年の半年チョイは飲み込み悪目さんにとって限りある大変貴重な時間。「四科のまとめ繰り返すぜ、ウェーイ!」と走り出す前に一考してみたほうが効率的だと思います。
まず一問一答系。
「第一次世界大戦を背景にした好景気で、にわかに大金持ちになった人を何といいますか?→成金」「胚珠がむきだしの植物を何といいますか→裸子植物」みたいなやつ。
絶大な効果が見込めるかどうかは別として、何事も繰返しやらないよりやったほうが「忘却防止」にはいいに決まっています。現に「四科のまとめ」については繰り返し解くことができるよう「答えを書く用紙」だけをわざわざ販売してるくらい。ですので余力がある限り繰り返す方がいいと思いました。
ただし、こればかり優先してしまうと後に述べます「他のイマイチ部分」ー算数や理科の計算などの考える系問題ーが手薄になるので注意です。時間には限りがありますから。
次に暗記ではない系。
暗記ではない系とは、科目でいうと「算数」や「理科」の計算問題、この時の月の位置・形を答えさせる問題などを指して言っています。
こういった系の不得意・理解の及んでいない単元については、まとめ教材をやったからといって自動的に得意に変容するというものではない点に注意です。まとめ問題集というのは単元毎に絶対落としちゃいけないような代表的な問題の寄せ集めのようなもの。で、その代表的な問題を繰り返しやればその単元は得意になるのか?…1を知れば10を知ることが可能な優秀なお子様は代表的な問題を繰り返しやっておけば10でも20でもピカンと閃きましょうが、飲み込み悪めはそうではない。
これ、100回くらい言ってる気がする
ですので、飲み込み悪めさんは『不得意・苦手単元』は何か別の対策でどうにかする・強化したほうがいいというのがこみるの考えです。
一方、飲み込み悪め組は、往々にしてできている問題群も放っておくと忘れてしまうおそれがあるのが悲しいところ。よって忘却防止にも一定努める必要があるというのが「厄介」と言った理由です。
お願ーい。忘れないで、お願い。
祈りが届くならいくらでも祈りますが、悲しいかな、祈っても祈っても忘却は祈りでは食い止められないのが現実です。
暗記系の完成度合いは人による。暗記ではない系の出来ない単元や得意単元も人による。何をどうやってどのくらい「繰り返す」のか吉なのかは、子の状況と時間配分にかかっているともいえましょう。…で、飲み込み悪めさんがこれを自力でプランニングできます?ここは我が子の状況を見て軍師たる親が采配を振りプランニングすべきでしょう、というのがこみる案。
三菜流・まとめ教材の使い方ーこんなのもアリじゃないすかね?
「四科のまとめ」「メモリーチェック/ベストチェック」「コンプリーション」は、難易度が違うだけ…ではない!ーそれぞれの特徴知ってますか?
「四科のまとめ」「メモリーチェック/ベストチェック」「コンプリーション」は「まとめ教材」という括りですがシリーズ毎に、また同じシリーズでも教科毎にも特徴があるように思いました。
物量を多くこなしたいなら「四科のまとめ」とか。書かせながら薄く広く忘却防止したいなら「コンプリーション」とか。ひたすら基礎の暗記をメインにしたいなら「メモチェ」とか。
まとめ教材は、浮気せず一冊ひたすら繰り返せ!…が通説なイメージですが、まとめ教材の特徴を把握して、子の状況に応じて複数冊使い分けるのもアリなんじゃないかと思っています。
それぞれの特徴は文字数がアレなので、別記事に。
なお、サピックスの「コアプラス」はレビューがありません。あんなに有名な教材なのに、こみるは当時候補にしておらず、見てもいないのです。理由は「『コアプラス』は理社だけで4教科揃わない」のと「サラリと調べた限り『難易度高め』っぽいため、三菜の『忘却防止』目的のまとめ教材としては微妙だと思った」から。
ええ?
「…っぽい」って何その理由!理科だけでも、社会だけでも使うべきだったかもしれないのに
今思えば、塾なしでも入手できる貴重な教材なのだから、見もせず断念するのではなく詳細に確認すべきでした。少々、これは失態だったと思っています。当時のこみるに喝を入れてやりたい!
でも、なんせ中堅校目指す組、なんか「サピ」とついているだけで敷居が高かったんですよね。詰めの甘いこみるの生態がここにあらわになってしまいました。ま、検討しなかったものは仕方がない。
飲み込み悪め組は、量を増やすばかりが良いとも限らないぞ
ところで、三菜をみてますと、なるべく勉強量が少ない方が万事穏やかに事が進むという残念な現実が受験全般通してありました。
そんな三菜ですが、6年の前期は4年・5年の演習問題集をひたすらやりこんでいました。ここでも触れましたが(通塾生の方々と比べれば屁でもない量かもしれませんが)これは部活も習い事もやめない三菜にとっては相当な物量。
これに加えて、漫然と物量の多いタイプの「まとめ教材」をできる限り繰り返す!少なくとも3周!…などという負荷を課すと、どうなるか。
おお、見える、見えるぞ…あなたの未来が見える…
恐らく、三菜は嫌になります。
やったとしてもやっつけになります。
不貞腐れます。
やらねばならぬことをやらないことに親が激怒します。
子は益々不貞腐れます。
あと1年もないというのに、不穏な空気で更に勉強時間が無くなるという、なんとも恐ろしい光景がハッキリと見えました。…ということで、1000%悪手と判断。
三菜の場合、漫然とやることをどんどん加えていくというよりは、必要無いものは極力削ぎ落すスタンスを基本とし、余力があればプラスするくらいで丁度良かったと思います。
親の性で、ついつい、定石通り〇周!とかやらせたくなるんですけどね。
ボリュームのあるまとめ教材を何度も何度も繰り返す…のではなく、ボリュームのあるまとめ教材を一周したあとで、別のもう少し薄っぺらいまとめ教材を使っていたのは、こんな理由もあったりします。
飲み込み悪めは、聞き方・見ばえが変わると、答えられない場合があります。
三菜は国語と社会でまとめ教材を複数使いしています。
これは、三菜の勉強をみていて感じたことによるのですが「問われ方・見ばえ」が変わると、同じことを聞かれているのに答えられない時があるというのも理由の一つです。
見ばえの違いは、まとめ教材のレビュー記事をご覧くださいね。
所詮、単なる1事例です。ベストなやり方は、子により、人により一人一人違うはずです。
はい、復唱!
「これは単なる一事例!やり方は子により、人によりそれぞれです」
国語(ことば):過去問に出ないところは無視。「四科のまとめ」と「コンプリーション」をダブル使い
使ったまとめ教材
①4-5年の「漢字とことば」の各回ことば部分の問題
※過去問見た感覚値として、中堅校は深堀した四字熟語や慣用句が出ないとふんだ
※今更の基礎固めのため
②四谷大塚「四科のまとめ」
※大量・網羅的確認用
③新演習「コンプリーション」
※大量の「四科のまとめ」を繰り返している余裕がないので、薄く広く確認用として
④漢字と言葉/6年下巻末まとめ資料
※間違い記録用
いつ?どんなふうに?
- 夏まで4-5年「漢字とことば」のことば部分
■ 4-5年の「漢字とことば」のことば部分をコピーして、計算・漢字のルーチンに追加。 - 夏~秋四谷大塚「四科のまとめ」
■ A問題のみ
■ 過去問で出ない単元(文学史、文法、漢字部首など)除く
■ 間違えた問題は「漢字と言葉/6年下巻末まとめ資料」のコピーに印
詳しくはこの記事! 6年下・巻末まとめ資料は「チェックリスト」として活用できる
- 秋~冬新演習「コンプリーション」
■ 「四科のまとめ」より分量少なめ教材で薄く・広く確認したかった故。
■ 過去問で出ない単元(文学史、文法、漢字部首など)除く
■ 間違えた問題は「漢字と言葉/6年下巻末まとめ資料」のコピーに印
算数:「四科のまとめ」を選択するも、頼みの綱は「三菜専用問題集」
使ったまとめ教材
①四谷大塚「四科のまとめ」
いつ?どんなふうに?
- 夏まで四谷大塚「四科のまとめ」
■ 今思えば、当時算数は大分細かいレベルで苦手単元・単元の中の苦手問題が把握できていたので、このタイミングでまとめ教材1周やらなくてもよかった。時間のムダだった。
■ 四科のまとめに掲載されているタイプの問題は「三菜専用問題集」のルーズリーフにマーク。忘却防止のため時々繰り返せるようにするため。 - 夏休み苦手単元集中砲火
- 夏~秋通常学習のみ〔*三菜専用問題集〕
■ まとめ教材の使用は無し。
■ 「三菜専用問題集」のルーズリーフで演習を繰り返すのみ。
詳しくはこの記事! 三菜専用問題集の作り方■ ルーズリーフにマークされている四科のまとめ類似問題は、こみるの匙加減で忘却防止をはかる
詳しくはこの記事! 算数6年上は一旦捨て。6年前期・三菜がとった戦略の話
詳しくはこの記事! 説明できていても「しばらく経つとできなくなっている」を攻略
- 秋~冬通常学習のみ〔*三菜専用問題集〕
■ 上に同じ
理科:忘却防止にうすーく薄く「コンプリーション」
使ったまとめ教材
①新演習「コンプリーション」
※薄いが、暗記系も計算系もそれなりに濃い内容。
いつ?どんなふうに?
- 夏まで新演習「コンプリーション」
■ 1週間に1単元(4ページ)位ずつ。
■ 今週の予習シリーズの単元とかぶらない単元をピックアップ
→授業範囲と違う単元を復習に取り入れることで忘却防止の範囲を広くとりたかったため。 - 夏休み新演習「コンプリーション」+苦手単元集中砲火
- 秋~冬新演習「コンプリーション」
■ 1週間に1単元(4ページ)位ずつ。
■ 今週の予習シリーズの単元とかぶらない単元をピックアップ
社会:「四科のまとめ」は1周+クイズBBAがスキマで利用。直前期には四科のまとめとは違う問い方をする「コンプリーション」で強化。
国語が壊滅の三菜にとっては、理社は得点源。忘却が激しいけれど、忘却しなければそれなりの得点源となるのが社会です。中堅校に限った話かもしれませんが、やればやっただけ点数になる感触はありました。なので、他の教科から比べ手厚めにまとめ教材をまわしておりました。
使ったまとめ教材
①四谷大塚「四科のまとめ」
※とにかく物量で勝負タイプ
※一問一答系が多くBBAがクイズに使いやすい
※クイズBBAのクイズも含めると2周回したイメージ
②新演習「コンプリーション」
※四科のまとめとは違う見ばえ・聞き方で総復習したかったため。
※書き込んで覚えるタイプ
いつ?どんなふうに?
- 春~秋四谷大塚「四科のまとめ」+クイズBBA
■ 「四科のまとめ」は公民以外の今週の予習シリーズの単元とかぶらない単元をピックアップ
授業範囲と違う単元を復習に取り入れることで忘却防止の範囲を広くとりたかったため。
■ 1週間に4ページやりたいところだが、時間がないのであまりノルマに拘らない。
■ ノルマに拘らない代わりに、クイズBBAが「四科のまとめ」等を手にスキマ時間を攻略
詳しくはこの記事! スキマ時間にしつこい クイズBBA登場! - 夏休み四谷大塚「四科のまとめ」と「コンプリーション」+苦手集中砲火
■ 得意な単元・時代は四科のまとめ。コンプリーション(一部)。
■ 苦手な単元は、年表トレーニング、W-Basic、新演習などをつまみ食いしながら集中砲火
詳しくはこの記事! 夏休み、社会の苦手単元集中砲火! - 秋~冬新演習「コンプリーション」+四谷大塚「四科のまとめ」(一部)+クイズBBA
■ 「コンプリーション」は公民含む今週の予習シリーズの単元とかぶらない単元をピックアップ
授業範囲と違う単元を復習に取り入れることで忘却防止の範囲を広くとりたかったため。
■ 「四科のまとめ」は文化史、政治史、史料などを中心に
■ クイズBBAが「四科のまとめ」等を手にスキマ時間を攻略
詳しくはこの記事! スキマ時間にしつこい クイズBBA登場!
まとめ:結局うちはどうしたらいいのでしょう?
書いておいてなんですが、正直言って三菜の n=1の事例なんて、読んだ方には何の役にもたちません。ここで言いたかったことは「飲み込み悪めほど、子にとっての最適を親は常に考えたほうがいいんじゃないすかね?」ということ。まとめ教材に限らず、ですがね。
あ、「通説なんてあてにならないぜ、奇をてらおうぜ!」と言ってるのではありませんよ。
まず、通説は通説で大多数の人がそれでうまくいってるのだから、それはそれで理にかなってることは理解すべきでしょう。
ただ「殆どの子がこのやり方で踊りだしますよ!」というやり方なのに、どうにもこうにも我が子が踊りださない場合。若しくは、殆どの子が踊りだすんでしょうが、塾なしとか部活やってるとかで、我が子のステージだけが他のお子さまとちょっと条件が違う場合。
通説に子に慣れてもらう・頑張ってもらい踊りだすのを待つのが1つの手であるとするならば、他のやり方 …靴や衣装を我が子が踊りやすいようにアレンジして、踊るのを後押しするという一手だってあったっていい気がします。
目的は志望する学校に合格することです。「四科のまとめ」や「メモリーチェック」を〇周することが目的ではないはずです。
ならば。
我が子に残された残りの時間はどれだけか。
子にとって何が課題か。
課題の優先順位はどうか。
子にとって最小限の稼働で最大の効果がでそうなのはどれか。
どうしたらいいか、考えてみても、いいんじゃないでしょうか。
…ただ、まぁ実際、面倒くさいですよね。
書いていて、嫌になります。
ただ、こういったことを親がガッツリ考えるのも期間限定。
一生続くわけじゃないんです。
子も頑張ってるんだし、親だって期間限定で頑張ったって、いいんじゃない?
どうせやるなら、いつ?
…今でしょ!
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